前回は開帳足について書きましたが、今回は扁平足についてもう少し詳しく説明していきます。
難しく言いますと、扁平足は距骨頭が舟状骨から内側足底方向に移動しばね靭帯や後脛骨筋腱が伸び、内側縦アーチが消失した状態です。
四肢と脊柱の診かた より
図を見ていただくと距骨というのは足関節を構成する骨です。よって、「距骨頭が内側足底方向に移動する」という事は足関節を作っている骨が内側に崩れてしまうという事なんです。
ここで注目して頂きたい事は骨が歪んで扁平足になっているという事です。
そうすると足関節に隣接している膝関節を中心に股関節、脊柱といった骨にも影響が出てしまうのです。
整形外科理学療法の理論と技術より
この図を見ていただくと足関節を内側に捻る(扁平足の状態)と膝がX脚になり、逆に足関節を外に捻ると膝はO脚になることを説明しています。また、膝が内側に捻られても足関節は内側(扁平足)に捻じれてしまいます。その逆のしかりです。
また、次の図を見てください。
整形外科理学療法の理論と技術より
これは、足関節を内側、外側に捻ると骨盤や脊柱、肩の位置まで動いてしまう事を説明しています。
これらの身体の動きの関連性のことを運動連鎖といいます。
運動連鎖のパターンは様々あり、それぞれ違います。
このような事からわかることは、たかが外反母趾と思って痛みもないので放置してしまうと膝や腰といった部位にも歪みが生じてしまい膝痛や腰痛、肩こりなどの原因になる事があるという事です。
また、外反母趾だけではなく膝や腰が悪くなり、かばっていると、おのずと周りの関節にも負担をかけてしまうという事です。
よって、「痛む箇所ばかり診ていても本当の原因は他の場所にある事がある」という事です。
訂正しておきますが、一番は痛む個所をしっかり診てから、次に他の箇所からの要因も考えて診ていく必要があるという事です。
この運動連鎖についてはいつか書きたいと思っていましたが身体の一番端の外反母趾からだと説明しやすいと考え、ここでお話することにしました。
今回はこの辺で・・・・