草津・南草津【理学療法士による整体とトレーニング】Jump(ジャンプ)の木村です!
総合病院やスポーツ整形外科で多くの股関節疾患(変形性股関節症、人工股関節術後、股関節唇損傷など)のリハビリ経験があり、大学病院痛みセンターでの勤務経験、現在経営しているJumpでも股関節の痛みで来院される方が多いので、股関節痛でお悩みの方に少しでもお役に立てるようご紹介させていただきます!
股関節の痛み悪化?!理学療法士が教える注意すべきストレッチ!
世の中には股関節のストレッチが沢山ありますます。そして、誰でもいつでも動画サイトから見れるようになり身近になってきましたね。
ただ、痛みがある方がストレッチを行う場合、過度な負担になってしまい悪化させてしまう危険性があります。
今回は、股関節のストレッチで股関節に痛みをお持ちの方が行う場合に、気を付けなければいけない内容のストレッチをご紹介していきます。
1:ストレッチ について
1-1:ストレッチの種類・目的
分かりやすいストレッチは動的ストレッチと静的ストレッチの二通りがあげられます。
動的ストレッチは動きながらストレッチを行う方法になります。
よくサッカーやバスケットなどのクラブチーム、部活でのウォーミングアップでみんなで声を出しながら「ウエー!」「1、2、3!」などみんなで行う「あれ」もそうです。以前、サッカーではブラジル体操とか言われていた記憶が私にはあります。また、ラジオ体操も動的ストレッチになります。
主に、運動の前のウォーミングアップで行うことが多く、体を動かしながら筋肉の柔軟性を高め、血流を促し、体温・心拍数を向上させスムーズに運動に取り組めるように行います(怪我の予防や多様な動きに対応出来るようにする)。
次に、静的ストレッチは反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばします。伸ばした状態を維持し、 時間をかけて筋肉の最大可動域をゆっくりと伸ばします。よって、柔軟性のアップや可動域を広げる効果があります。 よく運動後のクールダウンに使用され筋肉痛を防ぐ効果もあります。
2:股関節の筋肉
2-1:腸腰筋
腸腰筋は歩くときや走るときに足を前方に出す(引き上げる)役割です。
股関節の前面についてます。
引用書籍:運動療法のための機能解剖学的触診技術、林典雄、青木隆明より
2-2:大殿筋
股関節の後面につく筋肉で主に股関節を後ろに動かす筋肉です。スクワットや椅子からの立ち上がりで体を前傾したときに踏ん張る役割もあります。よく、お尻を引き締める為に鍛えられる筋肉です。
引用書籍:運動療法のための機能解剖学的触診技術、林典雄、青木隆明より
2-3:中殿筋
股関節をを開く役割の筋肉(股を開く)です。
歩く時や立っている時に踏ん張っている足の骨盤が傾かないように支える役割もあります。
引用書籍:運動療法のための機能解剖学的触診技術、林典雄、青木隆明より
2-4:股関節内転筋群
股関節を閉じる筋肉(股を閉じる筋肉)です。
他にも股関節を閉じる内転筋はありますが分かりやすい筋肉を紹介しておきます。
引用書籍:運動療法のための機能解剖学的触診技術、林典雄、青木隆明より
3:股関節痛のある方に気をつけてほしいストレッチ
3-1:腸腰筋のストレッチ
この腸腰筋のストレッチなんですが腸腰筋を伸ばす事ができる有効なストレッチです。
私自身もよく行いますし当院に来て頂いている方にもよく行なって頂いてます。
ただ、股関節に痛みをお持ちの方が行う時は気を付けて頂く必要があります。
この写真の姿勢を見て頂くと、足を前後に開いております。
左右どちらの腸腰筋がストレッチされているのかと言いますと、後側の左足の腸腰筋がストレッチされています(伸ばされている状態)。腸腰筋は股関節の前面についていますので足を後方に持っていく事で伸ばされるんですね。
ここで注目して頂きたいのが上半身の重みが左の腸腰筋にかかってしまうのです。このストレッチはもとより上半身の重みで腸腰筋をストレッチする目的なのですが、
もし?この左の股関節に痛みがある状態の方がこのストレッチを行なってしまうと・・・
負担が大きすぎて余計に痛めてしまう可能性があるんです。
痛みがある関節の周りの筋肉は、痛みを庇う為に過度に緊張している状態になりやすく、常に張っている状態です。そのピンピンに張った状態の筋肉に体重を過度に乗せてしまうと、その筋肉が引きちぎれてしまいますね(筋肉をピンと張ったゴムのようなイメージで考えて頂くと分かりやすいです)。
その為、筋肉を痛めてしまう可能性が高いんですね。
そして、このストレッチの姿勢自体が不安定になりやすくスポーツ選手のように体が安定しているとリラックスして伸ばせるのですが、この姿勢をとる事が精一杯になってしまうとでフラフラして体に力が入っているので余計に筋肉を痛めてしまったり、ストレッチの効果も薄れてしまいます。静的ストレッチはリラックスして伸ばさないと効果が乏しくなり、筋肉を痛めやすいです。
よって、股関節に痛みがある方は次のようなストレッチだと比較的安全に行う事が出来ます。
*このストレッチは引き寄せている足の反対側(降ろしている足側)の腸腰筋のストレッチ になります。引き寄せている側の大臀筋(お尻側)のストレッチにもなります。
3-2:中殿筋のストレッチ
次に中殿筋のストレッチで注意すべきポイントです。
中殿筋のストレッチはこのようなストレッチになります。
椅子に座った状態で片脚を組んだ状態で体を前傾させます。
この時、中殿筋がストレッチされます。
お尻の外側が伸びる感じがすればOKです!
このストレッチで気を付けるポイントはしっかりとお尻の外側が伸びている事が感じられるかなんです。
この時、ダメなのは体を前傾させて時に股関節の前面に痛みが出てしまっているのに無理に体を前傾させてしまう事です。
これは股関節の前面につく腸腰筋が硬くなってしまって痛みを起こしていたり、股関節自体が炎症を起こしてしまっていると股関節を過度に曲げてしまうと痛みが出たりします。
赤い点が痛みが出ると良くない箇所になります。
青い線が伸びている感じがすればOKです。
動画です。ご参考にしてください。
3-3:股関節内転筋郡のストレッチ
次に内転筋のストレッチで注意して頂きたいポイントを紹介します!
内転筋のストレッチで代表的な方法はこのストレッチではないでしょうか?
あぐらのような姿勢をとり(両足裏を合わせた状態)で体幹を前屈させる。
このストレッチは股関節の内腿(股関節内転筋群)のストレッチになります。
股関節の痛みがある方は、そもそもこの姿勢をとることが難しいと思います。
大事なポイントはこの姿勢をとった時に内腿の部分が伸びている感じがするのか?
という事になります。先ほども言いましたとおり、股関節に痛みがある方は筋肉が緊張した状態になりやすいです。
よく起こりやすい間違いとして体を前傾した時に股関節の前面に痛みがあるのに無理をして体を前傾させてしまう事です。
先ほどの中臀筋のストレッチと同じ間違いですね。
股関節の前面につく腸腰筋が硬くなってしまって痛みを起こしていたり、股関節自体が炎症を起こしてしまっていると股関節を過度に曲げてしまうと痛みが出たり悪化させてしまう恐れがあります。
また、あぐらのような姿勢をとれない方も多いと思います。
赤い点が痛みが出ると良くない箇所になります。
青い線が伸びている感じがすればOKです!
下の動画は股関節の動きが硬い方でも比較的無理なく股関節内転筋群のストレッチを行う事が出来ます。
4:まとめ
これまで、股関節痛がある方のストレッチで注意して頂きたいポイントを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
大切なのは痛みがあるのに無理をしてストレッチを行わない事と、どの筋肉が伸びているのかを感じながら行う事です!
是非、ご参考にしてみてください!